遊び感覚のトレーニング:ドッグトレーニングゲームとそのヒント

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遊びの原理が良い行動を伸ばす。 

「お座り。お座り! お座りって言っているでしょ!」 

聞き覚えがありますか? そうだとしたら、トレーニング方法を少し変えた方がいいかもしれません。でも心配は無用です。しつけに猛特訓は必要ありません。 

代わりに、遊びを取り入れるのです。それでは、家でできるドッグトレーニングゲームについて学び、遊びの要素がいかにトレーニングの役に立つか見ていきましょう。 

ロープのおもちゃで遊ぶロングヘアー・ダックスフンド

シンプルなドッグトレーニングゲーム3種  

ドッグトレーニングは、厳しく堅苦しいものである必要はありません。遊び方を教えるようなものだと考えてください。それでは、ここにご紹介する3つのドッグトレーニングゲームから始めてみましょう。 

ついておいで、の教え方  

静かな場所を選び、ポケットに小さなおやつをたくさん入れておきます。歩きまわり、犬がついてきたらおやつをあげます。それから「ついておいで」と命令し、後ろを振り向かずに歩いていき、ちゃんとついてきたらおやつをあげます。歩くスピードや方向をいろいろ変え、ついてきたらご褒美をあげましょう。 

放せ、の教え方  

愛犬をリードにつなぎ、お気に入りのおもちゃを床に投げます。犬がおもちゃをくわえたら、あなたの方に呼ぶか、リードを軽く引きます。おもちゃに片手を置いて「ちょうだい」と言います。もう一方の手におやつを持って見せ、犬がおもちゃを放したら褒め、ご褒美におやつをあげます。 

匂いを嗅ぎまわる、セレストカラーを付けた茶色い犬

かくれんぼを通じて呼び戻しの訓練をする方法  

犬に座ってじっと待つように言い、そのあとどこかに隠れます(最初は見つけやすい場所にしましょう)。犬の名前を呼び、じっと待ちます。必要に応じて繰り返します。あなたを見つけたら、おやつをあげて褒めましょう! あなた自身が隠れる代わりに、おやつやおもちゃを隠し、見つけるまでガイドしてあげてもいいでしょう。 

専門家が明かす、ドッグトレーニングをゲームにするヒント 

Rude Dog K9 Training Companyのオーナーであるブレット・サトルは、K9捜索救助犬も含め、20年以上にわたり犬の訓練に携わってきました。サトルは犬と飼い主に初めて会ったとき、お座りができるかなど、一連の質問を行います。そしてお座りに3回以上かかる場合、訓練ができていないと見なします。 

「犬は命令をお願いと見なしているのです。つまり、あなたに服従するのではなく、犬は自分がしたいようにするということです」、そうサトルは説明します。 

幸い、そんな場合もトレーニングは可能で、犬の望ましくない行動を抑制しながら、あなたが望む行動を取り続けるよう訓練することができます。それでは、あなたと愛犬の両方にとって、トレーニングがもっと楽しく効果的になるヒントを専門家から教えてもらいましょう: 

ヒント1:かならず正の強化を用いる  

「トレーニングは、正の強化を用いて、犬にとって楽しいものにする必要があります」とサトルは話します。 

犬が好む遊びのスタイルがさまざまであるように、彼らはまた、さまざまな正の強化に反応します。愛犬の性格、意欲を刺激するもの、成熟度によって、何が最も効果的に働くかが決まります。 

正の強化には、食べ物、褒めること、おもちゃ、遊びを用いることができます。食べ物は確実に犬の注意を引きますから、最初は食べ物をご褒美に与える方法がお勧めです。けれども食べ物はすぐに効果を失います。そのため、トレーニングが進むにつれて食べ物を少しずつ減らし、褒めることと遊びを取り入れていきます。長い目で見ると、このほうがより効果的で適切です。1 

それでは、実際にはどのように行うのでしょうか? サトルは「お座り」と「待て」の訓練方法を教えてくれました。たとえば愛犬がボールを好きな場合、「お座り」と「待て」をさせてからボールを与えるようにします。これを何度か繰り返すと、要求されたことをやり遂げればボールをもらえる、と理解するようになります。 

「取ってこい」をして遊ぶクリーム色のゴールデン・レトリバー

ヒント2:トレーニングのタイミング

尻尾を振って走り、ジャンプしていますか? これらは犬が遊びたい気分のサインです。同時に、心理的にも肉体的にもトレーニングに適した状態を示しています。 

ヒント3:犬が集中できるようにする  

犬は気が散ると飲み込みが悪くなります。サトルによると、耳の感染症やかゆみを引き起こすノミの咬傷などによる不快感があると、犬はトレーニングに集中できなくなります。トレーニングを始める前に、まずは気を散らす原因に対処するようにしましょう。 

また、トレーニング中は、集中力を乱す要因を最小限にします。サトルは、15~20分ほどトレーニングしたら、数分間、犬をクレートなどに入れて休ませることを勧めています。犬はイメージで思考するため、休憩時間を取ることで、余計な新情報を取り入れずに、ちょうど今起きたことだけを吸収して処理することができるのです。 

ついておいで、放せ、呼び戻しなど、要求したタスクを犬がやり遂げたら、彼らが大好きなご褒美をあげましょう。そう、あなたと遊ぶ楽しい時間です。 

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