子猫の成長:生後8週間で起きること
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子猫の成長過程
子猫は信じられないようなスピードでおとなの猫に成長していきます。目も開かない小さな生き物だったのが、あっという間に好奇心と独立心に満ちた活発な子猫へと変わっていきます。その変化はまるでつむじ風のよう。さまざまな重要な発達が、生まれてから8週間のあいだに立て続けに起きるからです。
子猫の週齢の見分け方
子猫はいくつかの過程を経て瞬く間に成長します。ここからは、子猫の体重変化と、生後8週間の重要な発達段階で起きることを週齢ごとに詳しく見ていきましょう。これを参考に、子猫の週齢を把握することもできます。それでは詳しく見ていきましょう:
生まれたての子猫
- 身体の発達:生まれたての子猫はほんとうに小さく、手のひらにすっぽり収まるほどです。目も耳も閉じたままで、爪は引っ込めることができず、歯もなく、咽頭反射もありません。へその緒は、生後3日ほどで自然に取れます。
- 行動の発達:生まれたての子猫は見ることも聞くこともできないため、匂いだけを頼りに外界を把握しようとします。居心地のいい温もりが必要なため、母猫のそばに置いてあげることが大切です。
- 平均体重:85~140グラムくらい。
- 気をつけること:子猫にとっては生まれてから18時間が非常に重要で、この間に母猫から初乳を介して抗体を譲り受ける必要があります。譲り受けられない場合、6週齢頃までに感染症にかかるリスクが高くなります。母猫がいない場合は、2~4時間ごとに哺乳瓶で子猫用ミルクを与えます。
1週齢
- 身体の発達:1週齢の初めの頃は、子猫は目も耳も閉じたままで、歯も生えていません。1週齢の終わりぐらいにようやく外耳道が開いて、耳が開いてきます。
- 行動の発達:一日のほとんどを寝て過ごしますが、手足をもぞもぞと動かし、触ると小さな鳴き声を上げます。この時期の子猫は一日に4時間近く母猫の乳を飲み、満足そうにゴロゴロとのどを鳴らします。
- 平均体重:150~200グラムくらい。
- 気をつけること:つい子猫の目を開けてあげたくなるかもしれませんが、ぐっとこらえて自然に開くのを待ちましょう。目は通常2週齢で開きます。
2週齢
- 身体の発達:ようやく子猫の青い瞳を見ることができます! 子猫の目は最初すべてブルーで、成長するにつれて本来の色に変化していきます。視力はまだ十分に発達していません。
- 行動の発達:這ったり、ほんの少し歩いたりするかもしれませんが、まだ頼りなげな足取りです。
- 平均体重:200~300グラムくらい。
- 気をつけること:まだ視覚が十分に発達していないため、まぶしい光からは遠ざけてあげます。
3週齢
- 身体の発達:もう耳と目が開いているはずです。3週齢では、初めての歯である切歯が生え始め、嗅覚も十分に発達しているでしょう。
- 行動の発達:3週齢は、筋肉が急速に発達して探検を始める時期です。歩き始めて、猫用トイレにも関心を示すかもしれません。また、自分で毛づくろいをしようとします。
- 平均体重:250~400グラムくらい。
- 気をつけること:猫用トイレを使う準備ができているようなら、使わせてあげましょう。数センチの自然素材の固まらない猫砂か、切り刻んだ新聞紙をいっぱい入れてあげます。
4週齢
- 身体の発達:視覚と聴覚が著しく発達します。犬歯が生え始め、爪も引っ込められるようになります。
- 行動の発達:そろそろ子猫と一緒に遊ぶことができる時期です。前よりもたくさん動きまわり、周りにも反応するようになります。
- 平均体重:300~500グラムくらい。
- 気をつけること:まだ猫用トイレを使わせていない場合、そろそろ始めてもいい頃合いです。遊びでは、おもちゃを使い始めてもいいでしょう。
5週齢
- 身体の発達:小臼歯が生え始め、離乳食に移る準備が整います。離乳する準備が整えば、子猫の性別を確かめてもいいでしょう。ただし、獣医師の助けが必要かもしれません。
- 行動の発達:独立心と社交性が芽生えるため、遊びの時間がもっと楽しくなります。トイレを使うことにも慣れます。
- 平均体重:350~600グラムくらい。
- 気をつけること:離乳させるには、子猫用ミルクとウェットキャットフードを混ぜた粥状のものをたっぷり与え、ときどきドライの子猫用フードのかけらを与えます。母猫の母乳(母猫がいない場合は哺乳瓶のミルク)も飲めるようにしてあげましょう。
6週齢
- 身体の発達:子猫にとって、発達初期の最終段階に入る大事な週です。最後の歯が生え始め、目も耳も十分に発達します。
- 行動の発達:6週齢になると、ますます独立心と好奇心が旺盛になります。ジャンプして着地するのも上手になります。
- 平均体重:400~725グラムくらい。
- 気をつけること:動物病院に連れていき最初のFVRCP(三種混合ワクチン)接種を受け、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症から子猫を守りましょう。子猫の爪 を初めて切ってあげてもいいでしょう。
7週齢
- 身体の発達:子猫の目の色が本来の色に変化します。この頃には、子猫は自分で体温を維持できるようになります。
- 行動の発達:7週齢になると、子猫はとても活発になり、よく遊びます。床の上でぴょんぴょん跳ねまわるでしょう。
- 平均体重:450~800グラムくらい。
- 気をつけること:爪とぎポールやほかのおもちゃを与える絶好のタイミングです。
8週齢
- 身体の発達:発達の初期段階は完了します。
- 行動の発達:8週齢になると、身体の各部がうまく連携して動き、すばしこく、元気いっぱいになります。
- 平均体重:500~900グラムくらい。
- 気をつけること:動物病院に連れて行き、2度目のFVRCPワクチン接種を受け、気になることがあれば相談します。駆虫や耳ダニの治療を勧められるかもしれません。
歯が生え始め、先住ペットとの顔合わせ も済み、小さなふわふわのボールのようだった子猫はいつしか若齢期を迎え、やがて成猫へと成長します。それは、心楽しくワクワクする経験です。子猫の成長と発達を見守るのは飼い主として大切なことですが、そのあともずっと愛情と思いやりを注ぎ続けることも同じくらい重要です。