ノミのライフサイクルとペットへの影響
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ノミのライフサイクル(生活環)の4つの段階について学びましょう
愛犬または愛猫にノミが1匹でも見つかったとしたら、それは大問題です。実は、1匹のノミは1日に50個近くの卵を産むことができるのです1。それらの卵はペットの身体から落ちて、環境中にばらまかれます-ペットが行くあらゆる場所にノミとその卵もついて行くのです。あなたの知らないうちに、ほんの2~3匹のノミがあっと言う間に何百匹にも増えて家の中にはびこり、ペットに咬みつくようになります。
人にはノミの成虫しか見えないため、ノミ寄生の全体像を把握することは困難です。家族のほとんどは、ペットの体表を這い回るノミの成虫を駆除しようと一生懸命になりますが、周辺環境の中で成長しつつあるノミの幼虫には気づくことすらありません。残念ながら、ノミの成虫が寄生しているノミ全体に占める割合はわずか5%です。残りの95%は肉眼では見えない成虫になる前の状態で環境中に潜んでいます2。
ノミのライフサイクルの4つの段階を理解することは、繰り返すノミ寄生を止めるのに役立ちます。
ノミのライフサイクルの4つの段階
第1段階:卵
1匹のノミは1日に50個近くの卵を産むことができ、それが犬または猫が行く先々でまき散らされます。ペットが動き回ると、カーペット、寝具、庭などの周辺環境にノミの卵がばらまかれるのです。
第2段階:幼虫
ノミの卵は1~10日で孵化して幼虫になります。ノミの幼虫は成虫の糞や食べこぼし、ペットのフケなどの有機物を食べ、日光を避けて、以下のような暗くてジメジメした場所で生活します。
- カーペットの中
- 家具の下
- 寝具の中
- 庭の日陰になる場所
第3段階:サナギ
幼虫は、粘着性のある絹のような繭をつくってサナギになります。通常は1~2週間で成虫となって出てきますが、寄生する宿主(あなたの犬や猫)を待つために数週間から数か月間にわたり繭の中にとどまることもできます。
第4段階:成虫
完全な成虫になったノミは肉眼で見ることができ、ペットに飛び乗り寄生したら、ほぼその直後から咬みつき吸血し始めます。ノミは、長ければ数か月間にわたり1匹のペットの上にとどまって吸血し、卵を産み続けます。
ノミが飛び乗る犬や猫を見つけられなかった場合、人に飛び乗って吸血することも珍しくありません。休暇から戻った後や新しい家に引っ越したときに、人がノミに寄生されて咬まれることがあるのはそのためです。
ペットのノミ対策
ペットのノミ駆除薬はたくさんありますが、大きく分けて経口タイプの薬、スポットタイプの薬があります。どんな薬が合っているか、ペットの性格や飼育環境などについて動物病院で相談し、適切な薬を選ぶとよいでしょう。快適な室内では、ノミは1年中活動することができます。ペットのノミ対策には、年間を通じてノミ駆除薬を投与することをおすすめします。